2020.03.05

ヨーロッパで春の訪れを告げるイベントといえばイースター。イースターカラーのイエローやモチーフの卵などが、お店のウィンドーを賑やかに彩り、楽しませてくれる時期です。スウェーデンで、そのイースターを待ちわびながら、楽しむ伝統スウィーツにセムラという焼き菓子があります。
どんなお菓子かというと、ブリオッシュのような生地に、アーモンドペーストと甘くないフレッシュクリームを挟んであります。この甘くないクリームがポイント。見た目とは違って軽くて、食後であってもぺろりといけてしまうおいしさ。「イースター前」という季節限定なのが惜しいくらい、いつでも食べたいお菓子です。

3月の北欧は気温が低く、まだ冬が終わってないと感じますが、長い長い冬を過ごした現地の人たちは「もう春だよ」といいます。確かに気温は低くても、斜面にはクロッカスなどの春の花が一面に咲いています。時には雪に覆われても健気に咲いていて、とても愛おしく思えます。

冬の間、買い付けには行かないので、残念ながらセムラにお目にかかれる機会はあまりありません。3月いっぱいで店頭からは姿を消してしまうのです。2月に北極圏にオーロラを観に行った時のこと。わたしの中で、オーロラの裏テーマは、このセムラでした。北極圏のカフェでもセムラ、ストックホルムのカフェでもセムラ、ローゼンダールのカフェでも、もちろんいただきました。やっぱりここのセムラが、No. 1でした!(わたし調べですが)。そんな話を現地の友人にしたら、「セムラは元々断食前にカロリーを補うために食べるものなのよ!」と笑われました。食べ比べなどするものでは無かったのです(苦笑)。でもこの時期にしかいただけない、貴重なお菓子。1日1個なら許されると思いませんか?

その2月にローゼンダールでランチをしていた時のこと。毎日マイナス10度以下の北極圏からストックホルムに移動したわたし達は、寒さに対するハードルがすごく下がっていました。服装も北極圏用に購入した、ハイスペックのダウンだったので、晴れていたし、外のテーブルでランチをいただきました。メニューは鱈とじゃがいものエッグバターソース。おいしくいただいていると、あまりに気温が低かったので、液体だったバターが寒さでだんだん塊に変化していく、という、珍しい体験をしました。